吉成鋼のときにも書きましたが、ゲーム「ヴァルキリープロファイル」のキャラクターデザインを兄弟で手がけたことがあります。
アニメーターとしては、どちらかと言えば吉成曜の方が有名でしょうか。
イラストレーターとしては吉成鋼の方が有名、と言ったほうが正確かも?
いずれにしても、この二人をイラストレーターだと言う人はモグリ。
アニメーターです。
長年GAINAXに所属していましたが、最近退社したという噂があるようです。
では、最初にアニメーションのスタイルから書いていきます。
吉成曜のアニメーションは、一見すると金田系に見えます。
しかし、見慣れてくると金田以前のスタイルとかカートゥーンとかもけっこうな割合で入っているのが見えてきます。
色々なスタイルの影響は受けつつも、それらはあくまでも要素として混入するにとどまっているということになりますね。
現在も独自のスタイルに向けて、日々進化し続けているのでしょう。
また、絵画的な意味でのデッサンも上手いし、キャラデのセンスがめっちゃかっこいいです。
去年の冬コミの同人誌で「DEAD WOOD DESIGNS」というのが出ているので、興味があったら買ってみるといいかもしれません。
ラフスケッチ、落書き帳と言う名目のものですが、かっこよさには関係ありません。
¥1,000と安いしね。
脱帽どころか禿げ上がること間違いなしです。
アニメーターの話だから、アニメーションの話に戻りましょう。
動きのデフォルメの仕方に強く特徴が出ています。
タメがけっこう長い感じで、この部分は金田の影響がけっこうあるように思います。
とはいえこの間の取り方は非常に独創的で、吉成曜の原画が回ってきた第2原画や動画の人たちはめっちゃ困るみたいです。
このように、アニメーション自体は非常に個性的なのですが、キャラの絵柄には特徴が出てこないようです。
(絵画的な)デッサン力のおかげで、どんな絵柄にも対応してしまうからでしょうか。
「トップをねらえ2! 」等いろいろなGAINAX作品で吉成曜の描いたキャラのアニメーションを見ることができますが、この特徴に一番はまるのは手塚キャラなんじゃないか?と思っています。
手塚キャラのアニメーション
もちろん上手いのはキャラ作画だけではありません。
エフェクトでも独自のスタイルを持っています。
一つずつ書いてみたら、3つに別れました。
まずは爆発。
陰影をすごく細かく描いてありますが、立体の単位はそれほど多くないです。
磯爆発をさらにまとめた感じになるのかな。
手間は少なく、迫力はより大きく、な方法ですね。
吉成爆発と言われています。
動くとめちゃくちゃカッコイイです。
爆発派生系のエフェクトがまたカッコイイです。
痺れます。
ブラックホールとかの作画をしたら、きっとCGとは別次元のかっこよさを生み出してくれるに違いないです。
見たこと無いけど。
これはエフェクトに含めてしまっていいのでしょうか・・・。
キャラじゃないからいいですね。
私はバケモンの変身、融合、分離みたいなキモいクリーチャーのアニメーションが好きです。
吉成曜はこれが最高に上手い。
中村豊も上手いが、豊の場合はより洗練されていて、どこかかっこよくなってしまうんですね。
吉成曜の作画はキモイだけです。
ひたすらキモイ。
作画がキモイ、というものはあまり見かけない。
作画じゃなくてデザインがキモイだけ、というのはけっこうありますが。
吉成兄弟は、正反対のスタイルと共通するスタイルをそれぞれ持っているため、比較して見るとすごくおもしろいです。
すなわち、一方のキャラについては違いがけっこう大きくて、両者わが道を行くという感じです。
弟の曜のほうがツメタメが効いていて金田っぽいです。
兄の鋼は、どちらかというとリアル系統です。
他方、エフェクトについては共通する部分が多いように思います。
スターウォーズアングルも両者共によく使いますしね。
さすがに吉成鋼のほうが細かいですが。
さらに、曜が、鋼の仕事を手伝うことが多いです。
あんな感じなので。
このように比較の機会もけっこうあるので、兄弟揃って注目しているといいことがあると思います。
ここまで書いて、ちょっと疲れたので強引にまとめようと思います。
元気になったら校正していくかもしれません。
もうギブ。
私のようにうんちくまがいなことを並べて語ることはいくらでもできます。
しかしアニメーションの真実はただ一つ、心が反応するかどうか!
吉成曜のアニメーションは間違いなくカッコイイ!!
ウヒョー!!!
―了―
~役に立つかもしれない補足~
吉成兄弟の呼称
吉成兄=吉成鋼→略して兄成(あになり)
吉成弟=吉成曜→略して弟成(おとなり)
と呼ばれることもあります。
この呼び方は、私は個人的にあまり好きではないので使いません。
スターウォーズアングル
構造物の巨大さを表現するために、カメラが表面を順次なめっていくように移動するアングル。
スターウォーズで、模型を使って巨大な飛行船を表現するために考案された手法らしい。
・・・という説明が面倒なので「スターウォーズアングル」と勝手に命名して使っています。
外で使っても通じません。